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必ず成功できる方法はありません。でも、必ず失敗できる方法はあります。
資格勉強でもそれは同じです。基本情報技術者試験は、決して誰でも受かる試験ではなく、下手な勉強を続けていれば一生受かりません。
この記事では、逆にどんな勉強をすると不合格になってしまうのかをまとめました。特に文系出身でIT業界未経験で受験した場合、普通に厳しい勉強になります。

記事対象者
- 基本情報技術者試験を受験予定で、過去の受験者の失敗から学びたい人
- 文系やIT未経験で、基本情報技術者試験を受験しないといけない人
- 基本情報技術者試験に不合格になり、リベンジしたい人
受験当時の僕のスペック
- 学歴:文系国立大学出身
- 社会人歴:非IT業の社会人3年目
- プログラミング経験:ExcelVBAやPHPを少し触ったことがある程度
- ITパスポート:未取得
僕は2023年11月に初めて受験して不合格、約1ヶ月後の2024年1月初旬に合格しました。つまり、一部下手な勉強をしたせいで1回分の受験料7,500円をドブに捨てた経験があります。
その経験から、僕が基本情報技術者試験(FE試験)でやってはいけないと思う勉強法は7つあるので、ご紹介します。
そもそも勉強期間が短すぎ
基本情報技術者試験は甘くない
基本情報技術者試験は「ITの登竜門」と言われていますが、決して甘い試験ではありません。ネット上では「1週間で合格した」「一夜漬けで合格した」といった情報が見られますが、再現性は低いです。
実際のところ、近年の基本情報技術者試験の合格率はおおよそ40〜50%で、2人に1人が不合格になっています。一定期間勉強した人たちのうち、半分が不合格になるということです。

受験者のバックグラウンドも様々です。IT業界で数年勤めている人なら短期間で合格できるかもしれませんが、IT未経験者や新卒入社したての人なら、より多くの勉強時間が必要です。
ネット上では、不合格になった人は恥ずかしがってわざわざ語らないため、成功事例のみが目立つ傾向があります
IT未経験なら3〜4ヶ月必要
基本情報技術者試験は、一般的にIT未経験者なら200時間程度の勉強時間が必要とされています。平日に2時間、土日に1〜2時間程度勉強すれば、概ね3ヶ月で達成できます。
僕の場合はもう少しゆっくりペースで勉強し、一度不合格にもなったので、トータルでは4ヶ月かかりました。
休日出勤や残業などの事情もあるでしょうし、働きながら毎日例外なく2時間勉強を続けるのは正直厳しいです。時間的、体力的に勉強できない日があることを想定すると、4ヶ月ぐらい確保しておけば、比較的心に余裕を持って勉強ができるはずです。
基本情報技術者試験で勉強する内容は業界を問わず役に立つ内容ばかりです。超短期間で頭に詰め込んですぐに忘れてしまうよりも、少し時間をかけてしっかり知識を咀嚼しながら定着させた方がメリットが多いです。

基数変換の計算問題から勉強する
基数変換の計算問題は文系やIT初学者にとって勉強の負担が大きく難しいため、学習初期に手を付けない方が良いです。
にも関わらず、参考書の最初に掲載されているため、みんな最初に勉強しがちです。まだ多くの試験範囲に手を付けられていない状況で、なかなか勉強の成果が出てこないため、モチベーションが低下してしまいます。
難しい分野なのに、参考書の最初に掲載されてしまっている
基数変換は「基礎理論」という分野の一部です。「基礎理論」とは、離散数学や応用数学など、情報技術全般を理解する上で不可欠な、数学的な基礎理論を扱うテクノロジ系の分野です。
基本情報技術者試験の運営者であるIPAが公式シラバスにおいて基礎理論の分野を最初に記載しているため、巷のほとんどの参考書でも基礎理論、とりわけ基数変換の計算問題が最初に掲載されています。

文系やIT初学者にとって、これは勉強の負担が比較的大きめの分野です。にも関わらず参考書の一番最初に書いてあるため、「こんなに難しい内容が残りの分野でもずっと続くのか」といきなり面食らってしまいます。この驚きがモチベーション低下を生み、「やっぱり文系の僕にはこんな試験無理だ」などと思ってしまいます。
モチベーションを保ちにくい勉強順序
- 基数変換の計算問題
- 基数変換の計算問題以外のテクノロジ系
- ストラテジ系・マネジメント系
他の分野を片付けてから勉強する方がモチベーションを高く保てる
残りの分野は用語を覚えることで対応できる分野が多いです。特にストラテジ系やマネジメント系の分野は暗記系が多いです。そういった分野では、文系出身やプログラミング経験の少ない人でも勉強の成果が出やすいです。
成果が出やすい順で一つひとつ分野を潰していき、「基礎理論以外の分野の過去問ではある程度点が取れるようになってきたぞ。あとはこいつだけ」という状況に持って行った方が、プロセス全体を通して、モチベーションを高く保ちやすいです。
モチベーションを保ちやすい勉強順序
- ストラテジ系・マネジメント系
- 基数変換の計算問題以外のテクノロジ系
- 基数変換の計算問題
推奨される勉強順序:
- ストラテジ系・マネジメント系
- 基数変換の計算問題以外のテクノロジ系
- 基数変換の計算問題
比較的成果が出やすい分野から着手するため、モチベーションを保ちやすいです。

【注意】ただし、最低限の知識は学習初期から身につけておいた方がいい
ここで主張しているのは、あくまで基数変換の計算問題のことであり、他の分野でも必要となる最低限の知識は身につけておいた方が良いです。
最低限の知識とは、例えば次のようなものです:
- 0と1だけで書かれてたら → それは2進数
→ コンピュータの言葉みたいなもの。 - 1バイト = 8ビット
→ コンピュータは「8ビット1セット」で動く。 - 1キロバイト = 1000ちょっと(正確には1024)
→ キロって言っても1000ぴったりじゃない。 - 16進数は「0〜9」と「A〜F」を使う
→ A=10、B=11、…F=15って覚えるだけで十分。 - 255という数字をよく見る → 1バイトの最大値
→ 例:色の明るさとか、IPアドレスの数字でよく出る。 - IPアドレスの「192.168.0.1」は、実は全部0〜255の範囲の数字
- → 各部分は1バイトで表されている。
過去問に取り掛かるのが遅い
少なくともスケジュールの6割は過去問演習に当てないとキツい
基本情報技術者試験の勉強は、過去問演習の量がほぼ全てと言ってもいいです。
知識のインプットは確かに必要です。特に文系やIT初学者は知らない単語も多いため、学習スケジュール初期に一定の時間を参考書や動画からのインプットに充てることは不可欠です。
しかし、インプットに多くの時間をかけすぎて試験本番まで時間がなくなり、過去問演習が足りないままでは、合格は無理です。
経験からすると、3〜4ヶ月の勉強期間なら、最低でも6割ほどの時間は過去問演習に割くべきです。理想は7割ですが、IT未経験者や新卒だと、インプットしないといけない知識が多いので、現実的には難しいです。

参考書には掲載されていない単語が山ほどある
過去問演習は、実際の試験問題を解く行為に慣れるためにするのですが、もう一つ重要な側面があります。それは参考書には載っていない単語に出会うことです。
世の中に存在するIT用語は膨大です。また、変化の激しい業界なので日々新しい言葉が生まれています。どんな優秀な参考書でも全ての関連用語を網羅的に掲載することは物理的に不可能です。
基本情報の受験勉強では、過去問で初めて見る単語に遭遇するという経験が無限に繰り返されます。だから、過去問演習もインプットの一部なんです。参考書によるインプットが仮に完璧にできたとしても、それではまだまだ道半ばにも至っていません。
過去問演習方法: 過去問演習をする方法は「過去問道場」一択です。2,800問以上の過去問が掲載されており、科目Aの過去問演習はこのサイトで十分です。無料でいくらでも演習できるため、ぜひ早めに着手してください。
ネットで用語を調べない

基本情報では、横文字のIT用語や、略された英単語が無限に登場します。
例えば過去問でROMという用語が登場したとして、「へー、ROMっていうものがあるのか」と思うだけで、そこから単語の深掘りをしなければ、一生定着しません。
今後別の問題で登場したとき、ROMに関する知識を用いて正解の選択肢を絞れるようになるには、拙くとも人に説明できる程度まで、用語を咀嚼して理解しておくのがベストです。
そうして、単語の理解を深めるのに役立つのが、ネットやAIツールによる検索です。
例えばROMについてなら、次のレベルぐらいまでは最低限調べてノートに書いておくようにします:
ROM
↓
Read Only Memory
↓
日本語では「不揮発性メモリ」
↓
意味は「電源を切っても記憶内容が保持されるメモリ」
↓
その特徴から、データの長期保存や外部ストレージとして使用される

このノートにアウトプットするという行為は、成功体験に基づく話です。科目AはIT未経験者にしては比較的早く合格ラインを超える点数が過去問で取れるようになっていましたが、この勉強法なしには成し得なかったと断言できます。
トレースを身につけようとしない【僕の不合格時の最大の敗因】
トレースとは、値の変化を地道に追う作業
科目Bのアルゴリズムとプログラミングでは、トレースという作業が必要になります。トレースとは、プログラムを実行したときに、どのように値が変化していくか、イベントの因果関係を自分で追っていく作業のことです。
このトレース作業、文系やIT未経験の人にとっては特に馴染みのない作業です。

僕も例外ではなく、参考書の見様見真似でやってみたものの、限られた時間の中ではなかなかうまくできませんでした。
僕の1回目の受験での最大の敗因は、トレース力の習得を疎かにし、我流で科目Bのアルゴリズムとプログラミングに挑もうとしていたことです。
「トレースはやらなくても解ける」という話はウソ
僕も信じたかった
ネット上では、「トレースなんてやらなくても解ける」「むしろ一々トレースをしていたら絶対に時間内に解ききれない」といった情報が溢れています。
これはトレースの勉強で挫折しそうになった人にとっては聞こえの良い話です。僕も正直、この「トレース不要論」を信じて、もしくは信じたくて、我流で問題を解けるようになろうとしてしまいました。
結果、科目B 480点でボロ負けでした。
トレースしないために、トレースができる必要がある
「トレースなんてやらなくても解ける」「むしろ一々トレースをしていたら絶対に時間内に解ききれない」といったトレース不要論を唱える人たちの主張には、間違った内容が含まれています。
正しくは、「トレースしなくても解ける問題もたまにはある」だ。そして、トレースしなくても解ける問題かどうかを判断できるようになるには、トレース力が必要だという話。
さらにいうと、ほとんどの受験者は、科目Bのアルゴリズムとプログラミング16問全てに対して十分な時間を割くことができません。つまり、捨て問を選ぶ必要が生じます。
この「捨て問を選ぶ」という行動に際しても、「これはトレースの負担が大きそうな難問だな。捨てた方がいい」という判断が必要で、その判断を適切にできるには、トレース力が必要です。
- トレースしなくても解ける
- トレースしてたら寧ろ全問解けない
- トレース力は必要
- トレース力しなくても解ける問題はある(ただしトレース力がないと判断できない)
- 捨て問を選ぶ必要がある(ただしトレース力がないと判断できない)
これから受験する人は、甘く楽な話を信じて我流に走るのではなく、粛々とトレースの習得に励んでほしいです。僕を含めて、落ちた人は落ちるべくして落ちています。成功談の再現性は低いですが、失敗談の再現性は非常に高いです。

科目Bの演習量が少ない
科目Bは近年新形式になった影響で、まだまだ演習問題の量が少ないです。頑張っていろいろな問題集やYouTubeなどから問題をかき集める意識を持たないと、自然と演習不足になってしまいます。
科目Bは公開されている演習問題の数が限られている
科目Aは過去問道場に2,800問以上が掲載されているため、過去問演習に困ることはないのですが、科目Bは違います。科目Bは世の中に公開されている演習問題の数がまだまだ少ないんです。
つまり、科目Bは、演習問題をいろいろな媒体からかき集めてこないと、どうしても演習不足になってしまいます。
これには基本情報技術者試験の変遷が関係しています。2023年4月から試験形態が新形式に変わり、それまで午前試験、午後試験と呼ばれていたものが、科目A、科目Bと名称が変わりました。
科目Aは問題数と試験時間が変わっただけで、解く問題は基本的に午前試験と同じです。しかし一方で、科目Bは問題の内容まで午後試験と異なるものになってしまったうえに、IPAが過去問を公開しないようにしてしまいました。
僕がかき集めた演習問題

僕が受験した2023年は、まさに新形式の1年目だったため、特に情報が少なかったです。そんな中必死でかき集めた演習問題です:
数年経過した今は問題集なども増えているはずですが、ここに掲載しているものはどれも高品質なので、迷ったらこれを選ぶといいです。
受験本番のシミュレーションをしない
CBT方式でつまずくリスク
基本情報技術者試験は、CBT(Computer Based Testing)方式と呼ばれる、全国に設置された試験会場で、コンピュータに表示された問題を解く試験形態で実施されます。
問題文表示、回答入力操作、試験タイマー、回答状況表示など、これら全ての機能が受験用PCで動きます。また、A4用紙とボールペンが渡され、計算やトレースに自由に使用できます。ただし、持ち帰りは不可です。

このCBT方式に慣れていると自信を持って言える人は、少ないはずです。CBT方式で受験する自分をイメージし、シミュレーションしておかないと、PCの操作に手間取ったり、それが原因で焦ったりすることにつながります。そうなると、それだけ自分のパフォーマンスが低下します。
普段の勉強から、PCで過去問道場を表示し、A4用紙とボールペンを用いて解く習慣をつけておく方が、圧倒的に有利です。
時間配分と解答順序
時間配分

基本情報の試験時間と問題数は、
- 科目A 90分(60問)
- 科目B 100分(20問)
と決まっています。よって必然的に1問に充てられる平均時間が算出できます。科目Aなら1問あたり平均1分30秒、科目Bなら1問あたり5分という具合です。
ただし、当然そう計算どおりにはいかないわけで、特に科目Bでは捨て問選択の重要性が高いです。
普段の問題演習の段階から、解答時間を意識して練習しておかないと、本番で全く時間が足りずゲームオーバーになります。
解答順序
時間配分と同じぐらい、解答順序も重要です。学習スケジュールの順番の話とも通じますが、解きやすい問題から解くことは合格への重要な鍵です。試験時間中という短い時間の中でも、序盤から「解けた」という成功体験を着々と積み上げることは、試験中のパフォーマンスを良い方向に導きます。
逆に、これを戦略的に実行できず、ストレスの大きい問題に序盤に多くの時間を注ぎ込んでしまうと、失敗につながります。
科目Aでは基数変換の問題は後回しにして、一通り最後まで解き終わってから挑みます。科目Bではアルゴリズムの問題よりも先にセキュリティの問題を片付けて自信をつけます。こういった戦略を試験前からシミュレーションしていたため、本番でも実践できました。
まとめ
基本情報技術者試験は、決して「チャチャッと過去問やれば誰でも受かる」ような甘い試験ではありません。特に文系出身でIT未経験の人間にとっては、しっかり戦略を立てなければ普通に落ちます。僕自身、しっかり落ちて7,500円をドブに捨てました。
要は、楽して受かろうとせず、地道に潰すべきことを潰していくということです。あなたには、僕の失敗を参考に、合格を勝ち取ってほしいです。
これも読んどく?
そもそも僕が基本情報技術者試験を受験しようと思った動機や、合格に至るまでの流れなどについては、こちらの記事で書き綴っているので、読んでいって欲しいです。



