ドルコスト平均法とは
ドルコスト平均法(Dollar-Cost Averaging)は、一定額を定期的に投資することで、購入単価を平準化し、長期的にリスクを抑えながら資産を形成する投資手法である。特に、積立NISAのように毎月決まった額で投資信託を購入する場合に、この手法のメリットを享受できる。
仕組み
毎月一定額(例えば1万円)を投資信託や株式に投資すると、株価が変動しても購入できる口数(または株数)が自動的に調整される。
月 | 株価(円) | 投資額(円) | 購入株数 |
---|---|---|---|
1月 | 1,000 | 10,000 | 10 |
2月 | 800 | 10,000 | 12.5 |
3月 | 500 | 10,000 | 20 |
4月 | 1,200 | 10,000 | 8.33 |
5月 | 900 | 10,000 | 11.11 |
このように、株価が安いときには多くの株数を買い、株価が高いときには少ない株数を買うため、結果的に平均購入単価が安定し、リスクを低減することができる。
メリット
- 平均取得単価の平準化
- 株価が変動しても、安値で多く、高値で少なく買うため、平均取得単価が安定する。
- 一括投資のように「高値掴み」するリスクを回避できる。
- 暴落時の精神的な安心感
- 株価が下がると不安になりがちだが、安値で多く買えるため、長期的にリターンを得やすい。
- 「暴落=買い増しのチャンス」と考えられるようになる。
- 投資タイミングを気にする必要がない
- 「今が買い時か?」と悩まずに、機械的に積立を続けられる。
- 投資初心者でも、感情に流されずに継続できる。
- 長期投資に適している
- 短期的な値動きに振り回されず、時間を味方につけて着実に資産を増やせる。
- 株式市場の歴史的なデータを見ると、長期的には成長しており、長期投資ほど有利になる。
デメリット
- 短期間で大きな利益を狙うのには向かない
→ 長期的な資産形成が目的の手法であり、短期売買には適していない。 - 株価がずっと右肩上がりだと一括投資の方が有利
→ ただし、未来の株価を予測することは困難であり、多くの投資家にとってはリスク分散が重要。
まとめ
ドルコスト平均法は、長期投資を前提とした積立投資の最適な手法であり、特に株価の変動がある市場では有効である。株価が低迷しているときも、むしろ安くたくさん買えるチャンスと考え、積立を継続することが重要だ。時間を味方につけ、焦らずに投資を続けることで、資産形成の成功確率を高めることができる。