
「またわかりにくい企画書だな…」上司にそう指摘されたのに、具体的な直し方は教えてもらえない。自分なりに悩みながら手直ししているうちに夜遅くなり、残業続きでイライラ…。
そんな経験はないだろうか? まじでお疲れ様。これは、そんな状況の打開策となる記事だ。
文章には“型”があり、ビジネス文書でも使える定番の文章構成パターンを知っておけば、構成に迷わずサクサク書けるようになる。
今回は、企画書や報告書を書く際にすぐ試せる具体的な構成手法を紹介していく。

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構成パターンを知って時間短縮&質向上

文章を書くときに構成が決まらないと、あれこれ悩んで時間を浪費しがち。この時間はまじでしんどいし、結局うまくいかずやり直しになるのはキツすぎ。
まず覚えておいてほしいのは、文章の構成には定番の型があるということ。プロのライターやビジネスパーソンは目的に応じて構成パターンを使い分けている。
決まった型に沿って内容を当てはめれば、伝えたいことを整理して論理的な文章を簡単に作ることができる 。型をうまく使うことで、文章は驚くほど書きやすくなり、読む側にも理解しやすい伝わりやすい文章になる。
また、構成に悩む時間が減る分、書く時間を大幅に短縮できてクオリティもアップするという一石二鳥の効果が期待できるわけだ。
ポイント
最初に文章全体の構成パターンを決めて、伝えたい情報をその型の各パートに当てはめてみよう。
骨組みが決まればあとは肉付けするだけ。これだけで「何から書いていいかわからない」という迷いがなくなり、驚くほどスムーズに書き進められる。
では、企画書や報告書で使える代表的な文章構成パターンを紹介していく。それぞれ使い方のコツとメリット・デメリットを具体的に解説するので、自分のシーンに合った型を選んでみてほしい。
PREP法 – 結論から伝えて説得力を上げろ

せっかくこの記事を読んでくれた以上、コイツだけでも覚えてから帰ってくれ。
Point(結論)→ Reason(理由)→ Example(具体例)→ Point(結論)の順に展開する。最初に結論、最後にも結論を述べる「結論サンドイッチ」で要点が強調される。
- Point(結論)
- Reason(理由)
- Example(具体例)
- Point(結論)
PREP法(プレップほう)は、これはまじで、ビジネスのど定番。そういっても過言はない、論理的な構成パターンだ。
まず最初に結論(要点)をズバリ述べ、その後にその結論を支える理由や根拠を示し、さらに具体例やデータで補強する。最後にもう一度結論を繰り返して締めくくるのが特徴。
文書だけでなく、口頭の説明でも、ビジネスでは結論ファーストが求められる。これは多くの人が一度は教わったことあるはず。
例えば企画書なら、最初に「この企画で達成したいこと(結論)」を述べ、その理由となる背景や課題を説明し、成功事例や調査データなど具体的な裏付けを示す。最後に改めて「よってこの企画を実行すべきです!(結論)」と結論を強調する。文章の冒頭と結末で同じポイントを伝えることで、主張にブレがなく読み手の記憶にも残りやすくなる。
【PREP法のメリット】シゴデキへの第一歩

- 要点が伝わりやすい
- 論理的で説得力が高い
- 時短効果抜群
要点が伝わりやすい
結論を最初に示すため、読み手は「何を言いたいのか」を冒頭で把握できる。
不必要な前置きに惑わされずに済み、「結局何が言いたいの?」というストレスがおこらない。また、最後に再度結論を示すことで主旨がしっかり印象付けられる。
論理的で説得力が高い
結論→理由→具体例→結論という構成は主張と根拠がセットになっているため、読み手は「だからこの結論に至るのか」と理解しながら読み進め、最後に納得感を持てる。
特に提案書では、結論(提案)に至る理由や具体的根拠を示すことで説得力が向上し、上司やクライアントの同意を得やすくなる。
時短効果抜群
定型フォーマットに沿って情報を当てはめるだけなので文章作成に迷いが減る。
ゼロから書き始めるより格段にスムーズで、短時間で論理的な文章が書けるようになる。忙しいビジネスの場面(上司への報告や短時間のプレゼン)でも要点を素早く伝えられるため重宝するもの。
【PREP法のデメリット】ちょっと怖い

- 物語的な長文には不向き
- 結論先行ゆえに強い口調になりがち
- 使いこなすには意外と練習が必要
物語的な長文には不向き
最初に結論を明かしてしまうため、ストーリー性が求められる文章には合わない。起承転結のように読者の感情に訴えかけながら最後にオチを持っていくタイプの長文では、結論を先に言ってしまうPREP法だと盛り上がりに欠ける。
プレゼンでも、サプライズ効果や感動を与えたいスピーチには向かない場合がある。
結論先行ゆえに強い口調になりがち
論理的で端的な反面、結論をズバッと言い切るため文章の印象が硬く感じられることがある。
特に一般的な読み物で多用すると「押し付けがましい」「ぶっきらぼう」という印象を与える可能性もあり。ただし、ビジネス文書では簡潔さが好まれるため、多少断定的なくらいが丁度よいケースも多い。
使いこなすには意外と練習が必要
一見シンプルな型だが、効果的に使うには理由や具体例を的確に示す力が求められる。
最初は「どの理由を挙げるべきか」「どんな例が有効か」迷うこもよくある。実際、PREP法は使い慣れるまで少し時間がかかるとも言われる。
しかしそれは、これはどの手法にも言えること。最初はメール文など短い文章でPREP法を意識する訓練をしてみよう。何度か繰り返すうちにコツがつかめ、重要な企画書でもスピーディーに使いこなせるようになるものだ。
PREP法はこう使え!
企画書や報告書で「結論をハッキリ伝えたい」ときは迷わずPREP法を使おう。
特に上司が「要点を先に言え」と求めるタイプなら効果抜群。文書冒頭に結論を書くことで、「この企画で何を達成したいのか」「報告したい結論は何か」が一目瞭然になる手法だ。
続けて理由・根拠と具体的なデータや事例を示せば、上司も納得!最後にもう一度結論を述べてキレ良く締めれば、「言いたいことが明確で論理的だ」と評価も上がること間違いなし。
PREP法は説得が必要な場面や結論重視の報告にうってつけの型。ぜひ普段から意識して使い、残業ゼロの効率的な文章作成を実現しよう。
PREP法の具体例をまとめた記事はこちら。
SDS法(要点・詳細・要点)– 詳細まで漏れなく伝える

ビジネス文書の三部構成イメージ。詳細情報を順序立てて展開し、最後に結論で締める。
- 序論(リード文・問題提起)
- 本論(説明・原因・解決策)
- 結論(まとめ・提言)
SDS法は「Summary – Details – Summary」の略で、要点(概要)→ 詳細→ 要点(まとめ)の順に話を展開する構成法。
一度目のSummaryで全体の概要や結論を示し、Detailsで詳しい説明や事実を述べ、最後に再度Summaryとして要点をまとめる。ニュース番組の原稿や報告書の要約でよく使われる手法で、情報を正確に分かりやすく伝えるのに適しているものだ。
企画書や報告書に応用する場合、まず冒頭で概要(結論やテーマ)を述べる。次に本文で詳細な説明を行う。
とくに企画書であれば背景や現状分析、提案内容を順を追って説明し、報告書であれば経緯やデータなど事実関係を詳述。最後に結論や要点を再確認して締めくくる。「結局何が言いたかったのか」を最後にもう一度整理するイメージだ。
【SDS法のメリット】迷子にならない
- 全体像を把握しやすい
- 事実や詳細をしっかり伝えられる
- 汎用性が高く読み手を選ばない
全体像を把握しやすい
SDS法は最初に要点の概要を示すため、読む側は全体の方向性をつかんだ上で詳細部分に入ることができる。
読み進めるうちに「今何の話をしているのか分からない」と迷子になる心配が減り、最後に再度要点を確認できるのでストレスなく情報を受け取れる構成だ。
忙しいビジネスパーソンにとって、冒頭で結論や概要が示されている文章は安心感がある。
事実や詳細をしっかり伝えられる
PREP法が結論重視なのに対し、SDS法は詳細(Details)重視である。つまり「伝えたい中身そのもの」を丁寧に説明するのに適している。
報告書などで「経緯やデータをしっかり理解してほしい」場合や、企画書で背景情報や検討プロセスも共有したい場合に有効。読んでもらえれば一通り内容を網羅できるため、上司から「詳細が抜けていてわからん」と突っ込まれるリスクも減るのだ。
汎用性が高く読み手を選ばない
SDS法はシンプルに概要→詳細→まとめという構成なので、ほぼあらゆるビジネス文書に使えるオールマイティーな型だ。
事実関係の報告、商品説明、自己紹介スピーチなど幅広いシーンで活躍する。主張の押し付けがましさがない分、情報提供が目的の文書では相手に好まれる傾向がある。
【SDS法のデメリット】おもんない
- 主張のインパクトが弱いこともある
- 結論を最後まで読む必要がある
- 単調すぎる場合もある
主張のインパクトが弱いこともある
概要→詳細→まとめという穏当な構成ゆえ、読み手に行動を促したり強く説得したりする場面ではやや押しが弱い可能性あり。
単に情報を伝えるだけでなく「相手を動かしたい」「YESと言わせたい」という場合、SDS法だけだと結論部分の説得力が物足りないかもれない。そのような場面では、PREP法のように結論と根拠を強調する型の方であったり、起承転結のようなストーリー性を重視する型を採用するのも有効だ。
結論を最後まで読む必要がある
SDS法では原則として詳細説明の後まで結論を取っておくため、読者は最後まで読まないと最終的な結論・提言がわからない(もっとも、冒頭のSummaryで簡潔に要旨は伝えてはいるが)。
そのため、読み手の注意力が続かないと結論前に離脱されるリスクがある。特に長い報告書などでは、中盤以降も興味を引き続けるよう図表を入れる・見出しを工夫するといった配慮が必要。
単調すぎる場合もある
概要→詳細→まとめを機械的に繰り返すだけだと、読者によっては予定調和すぎて退屈に映る可能性がある。
しかしこれは構成そのものの欠点というより、書き方次第で改善できる。詳細パートで適度に物語性を持たせたり、最後のまとめで今後の展望を示したりといった工夫で単調さを和らげましょう。
SDS法はこう使え!
「丁寧に経緯やデータを報告したい」ようなケースではSDS法が適している。
例えば上司への業務報告書では、冒頭で「本日の報告概要」を述べ(Summary)、次に経緯・結果・分析など詳細を順に説明する(Details)。最後に「以上が本日の報告です。まとめると○○となります」(Summary)と結論を述べると、上司は全体像を把握しやすく理解が深まる。
企画書でも、まず提案概要を示し、詳細プランや市場データを説明し、最後に提案事項を再確認する流れで書けば、情報量が多くても整理された印象を与えられる。「とにかく情報を正確に伝えたい」「結論に至るプロセスも共有したい」時に有効な型だ。
一方で、意思決定や提案の承認を強く引き出したい場面では物足りないこともあるので、その場合は、再度結論を強調したり、PREP法や起承転結を採用するのも有効だ。
起承転結 – ストーリーで引き付けて結論へ導く
起承転結(きしょうてんけつ)は、伝統的な四段構成の文章パターン。
- 起(導入)
- 承(展開)
- 転(転換)
- 結(結論)
起(導入)→ 承(展開)→ 転(転換)→ 結(結論)の順序で物語を組み立てる。もともとは漢詩の構成法だが、日本の作文教育でも親しまれ、プレゼンやスピーチでストーリー性を持たせたいときに多用されている。
企画書に応用するなら、まず起(導入)で企画の背景や状況を述べ、承(展開)で課題や詳細情報を示す。次に転(転換)で状況の変化や問題点のクライマックスを提示し、最後に結(結論)で提案や解決策を示す、といった形になる。
転の部分で一度意外性や問題提起を挟むことで、読み手の関心をグッと引き付け、最後の結論に納得感や印象を持たせる効果がある。
起承転結の例
起:市場ニーズは年々高まっています。
承:しかし現状のサービスでは対応しきれていません。
転:そこで○○という問題が顕在化しています。
結:ゆえに新規プロジェクトXでこの課題を解決しましょう!
【起承転結のメリット】面白い

- ストーリー性があって印象に残る
- 共感や感情に訴えやすい
- プレゼンテーションで効果的
ストーリー性があって印象に残る
単調になりがちなビジネス文書も、起承転結を取り入れることで物語風の展開に変わる。読者の興味を引きつけやすくなり、特に「転」で意外な事実や問題の核心を示し、「結」で解決策を提示する流れはドラマチック。記憶に強く残る。
「なるほど、そう来たか!」と読者に思わせたうえで結論に導くことで、提案内容を鮮やかに伝えられる。
共感や感情に訴えやすい
論理的に訴えるだけではなく、ストーリー展開によって読み手の感情を揺さぶることができるのが起承転結の強み。
たとえば企画書で現状の問題点を「承」から「転」にかけて描写し、読者に「このままではまずい」という危機感を共有させる。そして「だからこの提案が必要だ」と感情面から納得させる。事実や論理だけでは引き出せない共感や危機意識を喚起できる点が、大きな武器となる。
プレゼンテーションで効果的
文章だけでなく、口頭のプレゼンでも起承転結は有効。聴衆を物語に引き込み、最後まで注意を引きつける効果を持つ。
退屈になりがちなビジネス発表でも、物語の起伏を持たせることで印象に残りやすくなる。「最初に結論を言うと興ざめだが、順を追って聞かせれば惹きつけられる」という場面では、あえて結論を後に持ってくるこの構成が威力を発揮する。
【起承転結のデメリット】「で、何??」って思われるかも

- 結論にたどり着くまで時間がかかる
- 構成を誤ると単にわかりにくい文になる
- ビジネスでは使い所を選ぶ
結論にたどり着くまで時間がかかる
最大の難点は、結論が最後まで明かされない点。ビジネス文書では「で、結論は何?」と途中で焦れられるリスクも高い。特に忙しい上司に進捗報告をする場面では、手短に要点を伝える必要があるため不向き。
実際、ビジネス文書では「結論を早めに示すべき」とされる場面が多い。起承転結にこだわらない方が賢明なケースも少なくない。
構成を誤ると単にわかりにくい文になる
起承転結は、一歩間違えれば「何を伝えたいのか分からない」文章になりかねない。特に、書き慣れていないうちは要注意。起で背景をダラダラ書きすぎたり、転で本来結に持ってくる内容を語ってしまったり――。構成破綻に陥るリスクが高まる。
結果として、「結局何が言いたかったのか分からない」と上司に叱責される恐れもある。
ビジネスでは使い所を選ぶ
起承転結は感情に訴える効果を持つ。ただし、論理を重視するビジネスの場では「要点を先に言え」と求められることが多い。
すべての報告書や提案書を起承転結でまとめようとすれば、「まわりくどい」「結論が遅い」と敬遠されるリスクも生じる。ビジネスにおいては汎用性は低め。使う場面を慎重に見極める必要がある。
ストーリーが効果的な一方で、論理展開がぼやける恐れも孕んでいる。起承転結を使うなら、その点を十分に意識すること。
起承転結はこう使え!
起承転結は「読み手を物語に引き込み、感情を動かしたい」場面に限定して使うべき構成法。
たとえば、提案内容自体は平凡でも、「課題の深刻さ」をドラマチックに訴え、危機感を共有したいときに効果を発揮する。プレゼン資料にストーリー仕立てを取り入れ、最後に自社提案を提示する――そんな展開も有効だ。
一方、社内向けの稟議書や定例報告書など、結論重視・簡潔さ重視の場面では避けた方が無難。上司から具体的な指示がなくても、「今回はじっくり聞かせたい内容か、それとも端的に伝えるべきか」を見極めて型を選ぶべきだ。
起承転結は諸刃の剣。だが、ハマる場面では抜群の効果を発揮する。迷ったときは、無理に使わなくていい。
基本はPREP法やSDS法で書き、ここぞという場面でスパイス的に起承転結の要素を盛り込む。このバランス感覚が、使いこなしのコツだ。
列挙型 – 箇条書きで複数のポイントを整理する

列挙型とは、文章全体をいくつかの独立した項目に分け、並列に紹介していく構成。まず序文(リード文)で全体像を示し、次に「列挙1・列挙2・列挙3…」と項目ごとに見出し+本文で展開する。最後に全体をまとめ、結論や推奨案で締める流れ。
- 序文(リード文)
- 列挙1
- 列挙2
- 列挙3
- …
- まとめ
最後に紹介するのが、この列挙型。いわゆる箇条書きスタイルだ。「伝えたいポイントが複数ある」場合に最適な方法。ビジネスブログの「○○のポイント5選」や、企画書で複数案を提示するときにもよく用いられる。
使い方はシンプル。まずリード文でテーマや項目の概要を説明する。「本企画ではA案・B案・C案の三つのプランを検討しました」のように、最初に全体像を示す。
続いて箇条書き形式で、各項目に見出しと説明文を付けて並べていく。企画書なら「案1: ○○案」「案2: △△案」と順に展開。順番は重要度順・時系列順・カテゴリー別など、意図に応じて決める。最後に「まとめ」で全体を総括し、推奨案などで締める。
【列挙型のメリット】書くのが超絶ラク

- とにかく書きやすい
- 複数のポイントを整理して提示できる
- 読み手がスキャンしやすい
とにかく書きやすい
構成に迷ったらまず箇条書きにしてみる。このくらい初心者にとって使いやすい型。
伝えたい要素を思いつくまま列挙し、項目立てすれば、ひとまず文章の形になる。特に複数トピックを扱う報告書では、無理に一つのストーリーにまとめるより、列挙型にした方がスッキリ整理できる。
複数のポイントを整理して提示できる
箇条書きにすることで、情報の抜け漏れを防ぎやすい。
「今回は3つの視点で分析した」「提案を3案用意した」と網羅的に示したい場面にうってつけ。一覧性も高く、上司にも「何を検討したか」が一目で伝わる。
読み手がスキャンしやすい
見出しごとにブロック分けされるため、忙しい読み手でも関心のある部分だけ拾い読みできる。
要点が強調され、長文に埋もれず目に留まりやすい。結果、伝わりやすさも向上。
【列挙型のデメリット】ただ並べただけになるかも

- 論理的な繋がりが弱い
- 項目の順序にセンスが問われる
- 多用しすぎると味気ない
論理的な繋がりが弱い
項目間が並列で独立しているため、起承転結や因果関係といった論理展開は薄くなる。
単に情報を羅列しただけでは「で、結局何が言いたいの?」となりがち。必ず「まとめ」パートで総括や結論を補強する必要がある。
項目の順序にセンスが問われる
並べる順番次第で読みやすさや印象が大きく変わる。
優先度順か、時系列順か、インパクト重視か――。順番に一貫性がないと「ただ並べただけ」の文章に見えるので要注意。
多用しすぎると味気ない
箇条書きだらけの文章は確かに読みやすいが、情熱やストーリー性が伝わりにくい。
特にクリエイティブな企画書で多用すると、冷たく無機質な印象を与える危険がある。必要に応じて各項目にエピソードを織り交ぜるなど、工夫が求められる。
列挙型はこう使え!
列挙型は「複数の代替案や観点を示したい」「情報を整理して羅列したい」ときに真価を発揮する。
たとえば企画書で複数プランを提案するとき。それぞれを見出し項目に立て、比較検討を並べるだけで格段にわかりやすくなる。
また、週報や月次報告でトピックがいくつもある場合も効果的。箇条書きで項目ごとに整理すれば、読み手が知りたい情報に直接アクセスできる。忙しい上司にも親切な構成になる。
列挙型を使う際は、最後に全体の結論や推奨事項をまとめる一言を必ず添える。
(まとめ)
○○については上記の通り。
今後は△△に注力する。
このように締めくくれば、単なる羅列に終わらず、きちんとメッセージが伝わる文章に仕上がる。
箇条書きについて詳しくまとめた記事はこちら。
まとめ – 型を味方にして定時に帰れ!

企画書や報告書の構成に迷ったときは、ここで紹介した文章構成の型を思い出してくれ。
- 結論ファースト →PREP法
- 情報を正確かつスピーディに伝える →SDS法
- ストーリー展開を活かす →起承転結
- 箇条書きで網羅的に整理する →列挙型
それぞれ得意分野と注意点があり、万能ではない。
大事なのは、文章の目的や伝えたい内容に応じて最適な型を選ぶこと。「上司に簡潔に報告したいのか? 聴衆を引きつけたいのか? 複数案を提示したいのか?」――目的を明確にすれば、構成で迷うこともなくなる。
最初は不慣れな型でも、使い続けるうちに自分の中でテンプレート化される。文章構成に悩む時間が激減し、スピーディーに企画書・報告書を仕上げられるようになるだろう。
「型にはめるなんて創造性がない」と思うかもしれない。しかし、型はあくまで土台。時間を節約して生まれた余裕で、本当に伝えたいアイデアのブラッシュアップやクリエイティブな資料作りに力を注ぐべきだ。
型を上手に使えば、時間短縮とクオリティ向上の一石二鳥。明日からすぐに取り入れよう。
上司からの評価も間違いなく上がる。そして何より、「文章構成でもう悩まない」という自信を手にできる。
残業にサヨナラし、効率的かつ伝わる文章をものにしよう。次の企画書は、この型を使って、もっとラク&明快に仕上げて、定時に帰ってくれ!